第39回 父親の介護をきっかけに、家族の暮らしも快適にしたリフォーム
入院したお父様が退院される前に、二世帯住宅の1階をバリアフリーにしたいとお考えになったT様ご夫妻。
家族みんなで過ごす時間を大切にするため、LDKは明るく広く快適に。奥様の負担を減らし、日々の家事を楽しくできるように。
そんな工夫とアイデアがいっぱいのリフォーム実例をご紹介いたします。
- キーワード
- 二世帯/明るいLDK/たっぷり収納/将来を見据えた住まい/暖かい暮らし/こだわりの内装/キッチン/洗面所・バスルーム/トイレ/玄関

物件概要
リフォーム Before/After
Introduction T邸[埼玉県]
家族のためにバリアフリーが必要になる時
埼玉県にお住まいのT様ご一家がヘーベルハウスの二世帯住宅をご新築されたのは、1997年のこと。
「当時は父も母も元気だったので、バリアフリーといったことは特に考えていませんでしたね。」とT様は振り返ります。
他にも、収納が少なく部屋が片付かない、ガレージを増設したことで1階のLDKが薄暗くなるといったお悩みが生じていたそうです。
「13年前に母が亡くなってから、父の生活をサポートするようになった妻の負担を軽くして、家事が楽しくなるようにできたらとも考えていました」とT様。
急な展開をみせたのが一昨年の12月初旬。お父様が怪我をされ、退院までにリフォームを完了できないかとご相談いただきました。
「当初のお打ち合わせでは、段差の解消や手すりの設置など、お父様の生活を支えるご相談が主なものでした。
しかし何度かお話しするうちに、『これからは家族が1階で過ごす時間も増えるけれども、それにはLDKが暗くて狭い』というお悩みをお聞きして。
そこで東と西の空間を大胆に入れ替え、西側の2室をつないだ開放的なLDKを設けるプランをご提案しました」と設計担当は振り返ります。

お父様だけでなく、家族にとって快適なわが家に。
T邸の間取り


元々のプランでは、東側に増設されたガレージによってLDKが暗い印象になり、
お父様の寝室から水まわりへの動線が長いこと、和室が有効活用できていないことなどが課題でした。
そこで設計担当は東西のレイアウトを入れ替えるプランをご提案。
お父様の寝室と水まわりの動線を最優先に計画し、ほとんどの建具を引き戸にすることで出入りもスムーズに。
明るく開放的なLDKが誕生し、お父様だけでなく一緒に住む家族の誰もが使いやすい空間になりました。
エントランスもスロープに変更し、車椅子での安心です。
介護するご家族への配慮
使いやすいくスムーズな家事動線
介護者の負担を少なく、スムーズに支援できるように配慮することも大切なポイントです。
食事の支度などお父様の生活をサポートする奥様の負担を軽減できるよう、冷蔵庫を手前、パントリーを奥にするなど家事の動線を考えてキッチンをレイアウト。
また寝室には大容量のウォークイン・クローゼットを設けたり、リビングに隣接していた和室をシューズクロークに変更するなど、
適材適所の収納を増やしたことで物がすっきりと片付くようになりました。
一緒に住むご家族の生活と将来も考えた快適・上質な空間
お父様の骨折がきっかけのリフォームではありましたが、同居する家族の生活も大切です。
例えば、窓越しに庭の緑が楽しめるT様のワーキングスペース。
ご家族が毎日の暮らしを楽しむためのアイデアがいっぱいの空間になりました。
インテリアは『モダンで飽きのこない雰囲気で』というご希望でインテリアアドバイザーに一任。
家具や小物までトータルでコーディネートして、統一感のある空間に仕上がりました。
詳細なプランの決定からご契約まで、お父様の退院に間に合わせるため約2週間というスケジュールでしたが、
「短期間に集中して考えたことで、あれこれ迷わず、『今やっておいた方がいいこと』を選んで決断できたのでは」とT様。
4月末には工事も完了し、お父様を迎えることができました。
その後体調をくずされ、再入院されましたが、「病院でも『うちの風呂は広いんだ』と自慢していたくらい、リフォームに満足してくれたことが私たちも嬉しかったですね」と微笑みを交わすご夫妻です。
いずれは2階をリフォームして、お子様との二世帯住宅にすることもご検討中。
今の暮らしが安心で快適だからこそ、未来の住まいにも素敵な夢がふくらんでいくのでしょう。